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Posted by LOGPORT運営事務局 at

2014年04月25日

事故

 福知山線脱線事故から9年。高校時代の友人同士で事故車両に乗り合わせ、お互い支え合いながら前を向く2人の女性がいる。「2人で何百時間も話し合ってきた」「友人というよりは戦友」。25日も、2人で事故現場を訪れ花を手向けた。
 兵庫県西宮市の木村仁美さん(30)は大学4年で、就職活動の面接に向かう途中だった。駅で偶然出会った高校時代の同級生、福田裕子さん(30)と一両目に乗り込んだ。
 突然、「洗濯機でかき回されるような衝撃」を受け、福田さんを見失った。衝突したマンションから垂れ下がるフェンスを上り脱出。福田さんの安否が気になり、けがの痛みを忘れて待ち続けた。福田さんが肺挫傷や鎖骨骨折の重傷を負いながらも助け出されると、駆け寄って「生きていて良かった」と泣いた。
 「事故は人生の一部。忘れたくない」。木村さんは2005年から、被害者向けに事故関連の情報を伝えるメールマガジンの配信を続ける。登録者は約120人。今月13日で172号に達した。
 美大に通っていた福田さんは、事故車両で折り重なる人の姿が忘れられず、人物画が描けなくなった。自分の手のデッサンから始め、少しずつ克服した。11年からは、事故の風化を防ぐため負傷者らが配る「空色のしおり」の挿絵を手がける。
 高校時代から仲の良かった2人は事故後、深刻過ぎて家族にも話せない体験や思いを共有してきた。福田さんは「生き残った自分が前向きになることに罪悪感があった。時にはくだらない話ができる関係に支えられてきた」と話す。
 2人とも、まだ事故現場を走る電車には乗れていない。「いつかふとしたきっかけで乗ることになると思う。そのときも多分一緒です」。 

厚真町  


Posted by 次郎t at 12:11Comments(0)